2013.01.06
本日は1件の傷病者対応でした。
基地病院から比較的近い場所での事案でした。
このような場合、傷病者をヘリコプターに乗せて離陸してしまえば
数分で病院まで着くことができます。
ドクターヘリは、一刻も早く傷病者に接触して、救命治療を開始できる
というのが最大のメリットです。
しかしながら、当然救命センターのERに比べると、医師・看護師の数や医療
資源は格段に少ない状況ではあります。
つまり、病院で診療した方が当然有利なわけです。
数分間持ちこたえられる最低限の処置や、モニターなどをドクヘリ用に
付け替えるのに必要な時間の内に手の空いているスタッフが行える検査や
処置は現場で行うべきですが、一刻も早く救命センターのERに送るために
後回しにした方が良い検査や処置もあります。
これが、搬送時間が数十分かかるような場合は、ある程度の処置を
行ってしっかり現場で安定化させる必要があります。
傷病者の状態や搬送先までの飛行時間に応じて、現場で行う
検査や処置をチョイスする必要があります。
救急医療、特に限られた時間と資源で最大限の
救命治療・後遺症軽減を目指すドクターヘリ活動には、この
極限状態での冷静かつ迅速な”臨機応変”さが非常に
大切な能力だと思います。
”いざ”と言うときに短時間で頭をフル回転させているせいか、
家に帰るとぼんやりしているらしく、妻のご両親には「本当に救命の現場
で大丈夫なのか?」とよく心配されます。
あまりに飛行時間が短く、いい写真が撮れなかったので、
信大の屋上ヘリポートから現場の方角を写してみました。
本日は、いい天気でした。明日からまた寒くなるのでしょうか。
担当は、”いざ”というとき以外は地蔵のように穏やかな「も」と「new」でした。